歩道橋の真ん中に立ち大声で君の名前を叫んでみたい
好きだけじゃどうにもならないことがある。繋ぐ手、声にならない思い
女房は親友でもあるという君 あたしはこの人に勝てない
もういっそここから消えてしまってよ あたしのものにならないのなら
さよなら、と言った唇 5秒後に君のことだけ考えている
終電の時間確かめる 少しだけわがまま聞いて君と飲むカフェオレ
楽しかった昨日一昨日なんかよりどんな今日でも君とならいい
ショッピングモールで両手に小さな手繋ぐ君の35年
人混みの中で誰かが「タカヒロ」と呼ぶその名前にまだ振り返る
日曜は家族のためのてのひらを、知らない振りで君に逢いたい
指先を絡めて冷たい手を繋ぐ 嘘でも良いよ、夢でなければ
「終わりだね」呟く君をどうやって引き留めようか考えていた
ガラス越し 君と左手を重ねて目を閉じる 泣くな、笑えわたし
やめなよ、といって背を押すような人 その優しさが大好きでした。