NOT AN INTEGER

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3.イニシエーション




右袖を通す制服、明日には思い出になる三月十日


凛とした君の姿がいつまでも残っています、卒業写真


もう会えぬという事実の認識は 最後の日まで気付かずにおく


いらないと言われるためのチョコレート 君の答えはもう知っていた


式典の祝辞の間中ずっと君との火曜を思い出してた


広い背を見るのがとても好きだった たとえわたしのものじゃなくても


あの「好き」に意味なんか無いだからもう考えないし思い出さない


優しくないところやそうでないとこ、全部含めてあなたが好きで


薄暗い廊下の壁に寄りかかり聞こえるはずの足音を待つ


もう誰も居ないはずの教室で誰かが歌ってるレミオロメン


おめでとうなんて信じていなかった。春風吹けど涙も出ない


宿題は出されることがなくなって、「卒業する」の意味に気が付く


そんな訳ないけどあたし自分だけ世界の例外だと思ってた


「ひとり」から守ってくれていた壁を壊す自由へのイニシエーション


3月の風に全てを乗せていく 3年間の君への思いも


目標は自分で創る これからは「君が必要」なんて言わない


思い切り駆けた坂道わたしたちどこまでだって行ける気がした


校門を出たら最後にさよならを笑って言おう、残さず言おう。




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