NOT AN INTEGER

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5.薬指




マニキュアとピアス、マスカラ、作り笑い。「ほんとのじぶん」を隠す月曜


泥のよにただ眠りたい明日からいつもの嘘を突き通すため


カッターの刃を出すことで少しだけ死ねる気になるだから笑える


ぱらら、という雨音まるで銃声で、撃たれても良いという気になる


夜の闇を忘れるようなローソンの明かりに今日は救われている


ポカリスウェットとタオル、CDの準備完了泣く五秒前


一緒にはもう歩けない 決めたのはあたし自身の弱さでもあり


リスクある恋に全てをかけられるほど子どもじゃないって誤魔化す


自分から手を離してく大切な思い出、記憶、君の声とか


いつか見た映画の中のヒロインの涙の訳が今更解る


「じゃあ、また。」 映画みたいに別れても、君の幸せをあたし祈れない


繋がれるはずの無かった手に触れて、なかったことにする薬指


今誰か優しい人の背があれば 絶対に泣く、大声で泣く


ひとりでも寂しい訳じゃないでもたまに君が隣に居れば良かった


いくらでも狡くなれます君がただ会いたいとだけ言ってくれれば


残されし我が身に宿る涙さえ 彼の元へと運んでくれぬ


恋はもうここにはなくて君の手の温度攫いゆく10月の風




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